お山の小学校文化祭2018【高島市立朽木西小学校】

こどもにはたくさんの
選択肢がある

ここに暮らすこどもたちは、
本当にそのようだね、と―…


…………

高島市朽木町をさらに奥へ進んだところ
生杉(おいすぎ)に暮らすお友達。

彼女は、子供が通う小学校を
「お山の学校」と呼んでいて

時折、彼女からそこらにはない
伸びやかな教育をしている様子を収めた写真や
お話を見聞きしていました。


そのお友達に、冬が来る前に秋のお山を子供と訪ねたいというと、
ちょうど週末に小学校の文化祭があるということを
教えてもらい、訪ねてみることに。

 

車を走らせること1時間。
市内であることを忘れかける距離。

集落付近になると道幅が狭くなり
次の離合ポイントまで少し緊張するドライブウェイをひた走る。


知らない場所や人が多いところに行くのを
不得意にしている私の子供たちにも声をかけ
「その場」に身を置きに行ってみました。

案の定、居心地悪そうにしていた5年の息子。

生活発表あたりで戻っておいでと話し、
解散。

 

恥かしがり屋の娘は私にピッタリと身を寄せて、
最前列に座らせてもらって
プログラムの最後まで楽しみました。

 

最前列と舞台の距離はとても近くて終始、
地域で楽しむための温かな距離感が伝わってきました。

 

だれかの陰に隠れようもない人数。

 

だからこそ個の力を発揮できるようになるのかもしれない。
得意な子供がフォローする形もとりつつそれぞれが輝いていました。
どの児童もしっかりと発表をし、おもてなしもする。


そんな彼女たちを見て、
どんな顔をしていいのか分からない様子の息子。

 

こっそり持ってきたゲームでやり過ごしているようにも見えて、その場には明らかに相応しくないゲームを取り上げ
とやかく言う気には、なれなかった。

 

音を消してゲームをしている息子。
その場には居て、時々顔を上げて舞台を見るようすもあった。

何をしに来て
何を受け取るのか

それは息子の選択に任せてみようと思えました。

……

お祭りあとの帰り際。
少しゆるんだ時間に名残惜しさを滲ませながら
立ち話を少し。

忙しくしていたお友達が合間を縫って
車まで見送ってくれることに。

 

 

学校を出た子の中には、

その後、自身と教育システムのミスマッチに疑問を抱き、

「通常」とされる卒業後の進路ではなく

型にはまらない進路を自ら力強く切り開いている子も居る、と。


大人数抱える小学校では、およそ活きにくい個性を認め育むことが難しい現状があること。

だけど、この場所にはそれがあること。

それと同時に見守る親の胆力の必要性。

 

 

 

そんなお話して駐車場まで歩く。

 

娘が駐車場から駆けて話しかけてきた。
「お兄ちゃんとお友達が、あのおばあさんの荷物を車まで持ってあげてたで!」

 

いつも通りの表情でおばあさんを送り届けて戻ってくる息子。

 

親には見せない顔がある。

そして
親には見えていない顔もある。


………

 

山を下りて振り返る。

そこで見たお山の学校の子どもたちの活き活きした表情、逞しさ。

 

自然の豊かさと厳しさに沿いながら生きていくなかに
埋もれずにある「個」の輝きはとても眩しいものでした。

 

=2018.10.27 滋賀県高島市朽木町にて=

 

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滋賀県 高島市 を中心に 湖西エリアで活動 

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Nuance craft. 川島沙織

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